ウナボンの泣き泣き日記

ウナボンの泣き泣き日記

7.ついに腸かよ

☆ついに腸かよ☆

数日後、胃にも異常はなかったと聞いた。
ホッと胸を撫で下ろすものの、次の検査の部位が気になる。
「次はねぇ、腸の検査♪」
出たー!ダンディ先生の得意ジャンル。
「大腸ガンって言うのはねー、肛門から30cmくらいまででみつかる事が多いんだよ。
 あなたの場合もその辺まででいいと思うよ」
そ、そうですか・・・でも、カメラを肛門から入れる事に変わりはない。
「じゃ、今から検査」
「今って今なんですか?」
バリウムみたいに前日から食事時間の制限とか色々あると思っていた私は驚いた。
「とりあえずこれで頑張ってきて」
と、座薬を渡された。躊躇する私に先生は
「あっ、素手じゃやだ?ビニールの手袋あげるよ、これ使って!」
と手袋をくれた。
‘素手とかそういう事じゃなくて、座薬自体にビックリなんだって’
と思っていたが、そんな私に先生は
「じゃ、頑張って来てねぇ」
と笑顔で送り出す。

そのままトイレに直行し、せっかくなのでビニール手袋をはめ座薬を入れた・・・
「アウッ・・・」
肛門にモノが入るというのは実に妙な感覚だ・・・。
廊下のいすに腰掛け、もよおすまで待つ。
っていうか、肛門に異物が入った時点で出したい気持ちいっぱいなので、とにかく出さないように耐える。
冷や汗が出てきたとこでトイレに行く。
「ふぅ~」
やれやれ、手を洗い診察室に戻る。

次に丸く穴の空いた犬の洋服みたいな検査服に着替える。
ベッドにお尻をツンと出し、横になる。
「僕はねぇ、この検査上手いから大丈夫だよ。僕がやると痛くないから」
この病院の先生は皆、検査に自信があるらしい。
医者なので自信を持ってやってくれた方が患者としてはありがたい。
「初めに少し空気入れるね」
お腹が張り出した。すると何かが入ってきた!
「ア・・・アウッ・・・」
私にはオカマの気持ちは一生理解できない事と、エッチはノーマルに限る!という2点を瞬時に悟った。

先生はモニターを私にも見せてくれて、ピンクの生々しいトンネルは意外ときれいだった。
痛みはなかったが、呼吸は荒くなり冷や汗モノだった。
「はい、終わったよ。異常ないよ!」
あー、よかった。でもここで異常がみつからないって事は・・・やっぱり卵巣ガンなのかな・・・。
安心したのも束の間、また不安になった。

ダンディ先生に愚痴ってしまった。
「先生、やっぱり私、卵巣ガンなのかな・・・、手術ってお腹開くんだよね?」
「うん。他に腹腔鏡って方法もあるよ、お腹に小さな穴を開けてする方法。
 でもガンじゃないかもしれないじゃない」
「でも婦人科でガンかもしれないって言われたもん」
もう涙が止まらない。ポロポロ落ちる。
ダンディ先生は、私の手を握り「大丈夫だよ」と励ましてくださった。

ダンディ先生から婦人科宛の手紙を持たされ
「じゃ、頑張るんだよ」と外科から見送ってくれた。
患者思いの優しく素敵な先生だった。

‘『腹腔鏡』か・・・’
少々入れ知恵をされた私は外科を後にした。

***** 8.転院かよ へ続く *****


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